2016年1月28日木曜日

トリプトファンというアミノ酸の大切さ!

さて、昨日のトリプトファンの続きです。
必須アミノ酸の中でもトリプトファンって、こんな役目があるのですね〜って感じでお読み頂ければと思いますが、何だか読みにくい文章になっているかも知れません(T_T)

間をはじめ多くの生物は、鼻から酸素を吸い込んで炭酸ガスを吐き出す呼吸という、生理作用によって生命を維持しています。その呼吸が止まったときが、即ち死といえます。
私達が吸い込んだ酸素は肺から心臓へ運ばれ、血液中のヘモグロビンによって体内の各組織に運ばれます。そこで酸素が使われて炭酸ガスになって静脈を通じて肺へ運ばれ、口や鼻から出ていきます。この過程の中で大切なのは、からだの中で酸素が使われて炭酸ガスが出ると言う働きであり、人間はこの働きによって生きているという事です。
このように酸素が人体に入っていく現象を酸素添加現象といいます。それを仲介する酵素は酸素添加酵素(オキシゲナーゼ、酸素化酵素)と呼ばれています。ある種のバクテリアはトリプトファンを餌として酸化、分解する際に発生するエネルギーを利用し、酸素添加酵素に変化して繁殖します。その母体となるアミノ酸こそが、トリプトファンだったのです。
酸素添加酵素は私達が生きていくために必要な基本栄養素の、アミノ酸や糖質、脂肪酸の合成や分解を行います。他にも固有の生理活性と代謝、排泄に重要なステロイドホルモンや脂肪を消化、分解する胆汁酸の合成や、ビタミンやホルモンの合成、ヘモグロビンの合成や分解などの働きにも関係しています。ビタミンの合成では糖質や脂質、タンパク質の代謝に不可欠なビタミンB3(ナイアシン)の合成にも関与しています。更に、薬物や毒物の解毒、発ガン性物質の代謝にも重要な働きをしています。その際に必須の栄養こそが、トリプトファンなのです。
このようなトリプトファンの働きの他、さらに重要なのはトリプトファンがセロトニンやメラトニンなどの脳の働きに密接な関係を持つ物質の原料になるという事です。トリプトファンは血圧や筋肉の収縮、感情や精神状態に関連するアミノ酸なのです。セロトニンは睡眠や体温調整に深く関わる物質で、脳内の神経伝達として働きます。セロトニンはその90%が消化官粘膜に存在し、脳内の中枢神経系には2%程度しかなく、残りは血小板に含まれて体内を循環しています。消化管のセロトニンが過剰になれば下痢を、少なくなれば便秘を引き起こします。消化管で生成されたセロトニンの一部は血小板に取り込まれて、血液の凝固、血管の収縮、痛さの感じ方の調整、脳血管収縮の調整を行います。
しかし、消化管で作られたセロトニンは脳内の伝達物質に使われることはありません。脳に入る栄養は血管脳関門(BBB/Blood-Brain Barrier)で選択され、ある特定の物質のみが脳内に入ることが出来ます。
これは脳を異物から守る機能で、体内を巡る栄養素であっても、全てが脳に入ることが出来ないのです。例えばエネルギー源としてのグルコースは脳関門を通過できますが、脂肪酸は通過できません。異物が通過しようとしても、脳の毛細血管細胞に存在するタンパク質が、脳内から血管へと物質を排出することで脳を守っているのです。そのタンパク質を生成するために、ある種のアミノ酸は輸送体呼ばれる物質を使って脳内に取り込まれます。そのアミノ酸がバリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、メチオニンとそしてトリプトファンなのです。
他にも脳内関門を通過してしまうのが、アルコール、カフェイン、ニコチンや抗うつ薬といった物質で、脳内に入ってしまうことで依存性が高くなります。消化管で作られたセロトニンは脳関門を通過できませんし、トリプトファンからセロトニンになる中間物質の5-ヒドロキシトリプトファンは脳関門を通過できますが、数種の副作用を引き起こします。近年は5-ヒドロキシトリプトファン(5-HTP)のサプリメントも出ていますが、服用には注意が必要です。
脳内で安全に作用するセロトニンは、トリプトファンとして脳内に取り込まれて、脳内でセロトニンに生成されたものです。セロトニンが関与する生理作用は非常に多く、ドーパミンやノルアドレナリンを調整して精神を安定させるだけでなく、神経内分泌、睡眠、体温調節やその他の生体リズムを調整してくれます。
健康な状態では女性よりも男性の方が脳内セロトニンの産生能力が高く、50%以上も男性の方がセロトニンが多く作られています。脳内のトリプトファンが欠乏すると、女性の方が4倍ものセロトニンが減少するとされていますので、トリプトファンは女性にこそ積極的に摂取する必要のあるアミノ酸だと言えます。





2016年1月27日水曜日

予想以上に大好評のトリプトファンエキス

昨年霧島黒酢から発売された新アミノ酸エキス「トリプトファンエキス」が、こちらの予想以上に(失礼しました)評判が良いのです。
神経伝達に問題があると診断をされた方や、筋肉と神経の連絡が上手く行ってない方、寝付けない方からのご相談を頂いていましたので、ちょうど新発売記念のキャンペーンをしているトリプトファンエキスをお勧めさせて頂きました。
すると、結構良いご連絡を頂き、リピートしてお使いの方が多いのです。
もちろん、それぞれの方でアミノ酸バランスが違いますので、オルニチンが良い方やアルギニンが良い方もいらっしゃいます。ですが、どうもトリプトファンがこれらの症状に合うようなのです。
少なくとも3ヶ月は使ってみたいというご希望も多いので、霧島黒酢さんのご協力で今年の3月末まで記念キャンペーンを継続することになりました。そこで、少しトリプトファンエキス関連のお話しをさせて頂きたいと思います。


私達の体を構成するアミノ酸は約20種類ありますが、全てがバランス良く同時に揃わないと役に立ちません。その中で必須といわれる8種類のアミノ酸は、体内で合成することが出来ないので外から食品として摂取しなければなりません。
霧島黒酢の新製品「霧島黒酢のトリプトファンエキス」は、 8種類のアミノ酸の一つであるトリプトファンを含んでいるのが最大の特徴であり、他のアミノ酸エキスと大きく異なります。8種類の必須アミノ酸が全て揃っている、唯一の植物性の天然アミノ酸製品と言えるのです。
8種類の必須アミノ酸を中心として20種類のアミノ酸が人体をつくり、健康を維持していることは、あまりに普通であって日常生活では意識することがありません。しかし健康を損ない病になった時、体内のアミノ酸バランスが崩れて正常な細胞をつくれない状態になっています。
必須アミノ酸はもともと人の体内では合成できなかったり、できたとしても微量で絶対的に足りないアミノ酸です。つまり健康な細胞を作り続けるためには、必須アミノ酸をはじめとする20種類のアミノ酸を常に補給しなければならないのです。その為に毎日のバランスの取れた食事は大切であって、食べた物を効率良く活用するには、消化・吸収する胃腸の状態も健康でなければなりません。
いつも健康で、いつもバランスの取れた食事をし、体内の消化吸収能力が十分備わっていれば問題はありません。しかしそのような理想的な健康人は現代社会では少なく、何らかの内臓器官障害をもっているか、またはその予備軍である人が多いのが現状ではないでしょうか。
医療の現場では、重症な患者や手術直後の栄養補給が必要な患者を対象に、必須アミノ酸の輸液が緊急医療として頻繁に行われています。霧島黒酢のアミノ酸エキス開発では、消化器官の弱い方でも吸収しやすい状態のアミノ酸であり、このような緊急補給から日々の健康維持にまで使える、しかも家庭でも手軽に使って頂ける製品開発を行っています。
今回のトリプトファンエキスは、霧島黒酢の発酵からアミノ酸エキスに至る、一連の植物性発酵食品の技術を総決算とも言える製品だと思っています。ここで言う発酵とは、食品がカビや細菌などの微生物の力で変性し、タンパク質の形が変化してアミノ酸にまで分解される過程の事です。
黒酢の場合も同様に、原料の玄米や大麦の穀類に麹菌という微生物が繁殖することで、プロテアーゼやアミラーゼなどの酵素が一定の温度で活発に働き、原料のタンパク質や糖質を分解し、アミノ酸やアルコール、酢酸へと変化させます。従来のアミノ酸エキスである黒酢エキスシリーズは、このように発酵分解された黒酢を、独自の濃縮装置で酢酸とアミノ酸に分離してアミノ酸を取り出して濃縮しています。この方法では発酵分解で黒酢をつくる時間が必要になり、他のアミノ酸と結合しやすいトリプトファンは取りだしにくくなります。
これに対して今回採用した発酵方法は、黒酢を作る段階を省いて最初からアミノ酸エキスを取りだす事が出来ます。そのために麹菌もタンパク質分解の効率が良いものを選び、原料の仕込方法から発酵条件、温度管理を厳密に設定して分解酵素の働きを高めた発酵法です。このように霧島黒酢にしか出来ない発酵法を使う事で、一次発酵・二次発酵でアミノ酸が高単位の状態を維持した発酵が可能となりました。しかもこうして出来上がったエキスは、8種類の全必須アミノ酸を含む事に成功したのです。
「霧島黒酢のトリプトファンエキス」はその名の通り、トリプトファンという必須アミノ酸を含んでエキスです。先述の通り必須アミノ酸はいずれも私達にとって不可欠であり、体内で合成されないために食物から摂取しなければならないアミノ酸です。必須アミノ酸はその全てが揃ってこそ、効力をフルに発揮できます。トリプトファンは必須アミノ酸の中でも、生理活性作用の高いアミノ酸として知られています。
従来の黒酢エキスにもトリプトファンは含まれているのですが、ごく微量であったり時間の経過で他のアミノ酸と結合して減少してしまいます。黒酢にも含まれているアミノ酸なのですが、長期の発酵熟成を行っている段階でトリプトファンは変化し、徐々に減少してしまうために製品となった時には、微量のために分析データには現れないという結果になってしまいます。
この様に貴重でデリケートなトリプトファンをエキスとして製品化するには、一番楽なのは合成アミノ酸のトリプトファンを添加してしまうことです。そうすると数値上はトリプトファンを多く含んでいるように見えるのですが、それでは霧島黒酢の「天然製法の植物性アミノ酸エキス」とは呼べません。あくまでも穀類を発酵させて作る製法でいかにトリプトファンを固定化し、製品中に維持するためには発酵から完成までの生産にいたるまでの期間を短縮して、トリプトファンが変化しない短期間に製品化する必要がありました。
そこで黒酢からアミノ酸を分離するのではなく、最初からアミノ酸をつくる必要があったのです。原料や麹菌の選択、発酵条件を何度も変えながらアミノ酸研究開発のノウハウを結集させたのが、今回の新製品だったのです。もちろん今後も改良のために研究は続けていきますが、やっとお客様へ自信を持ってお届け出来る製品になりました。反面、瓶詰め時のトリプトファン含有量を可能な限り維持するために流通段階でも保冷を徹底させています。
しかもトリプトファンの含有量を最優先にしたため、賞味期限も短く設定しています。もちろん冷蔵庫で保存をして頂くと賞味期限が来てもトリプトファンが無くなってしまうわけではありませんし、減少しても他のアミノ酸と結合するのでアミノ酸総量がそれ程下がるわけでもありません。

・・・・・長々と申し訳ありませんでした。次の機会に「そもそもトリプトファンって?」という事をご説明できればと思っています。